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作品紹介「聖者たちの食卓」

聖者たちの食卓

2011年 / ベルギー / カラー / 65分 / BD

監督:フィリップ・ウィチュス、ヴァレリー・ベルト
配給・宣伝:アップリンク

インドのシク教総本山にあたるハリマンディル・サーヒブ<黄金寺院>では、毎日10万食が訪れたすべての人のために、すべて無料で提供されている。そこは宗教も人種も階級も職業も関係なく、みなが公平にお腹を満たすことができる「聖なる場所」だ。インド黄金寺院に古くから伝わる食卓の風景に、心解きほぐされる極上のショートトリップ・ドキュメンタリー。これを見れば、今夜の食卓は少し違って見えてくるはず。

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公式サイト

映画『聖者たちの食卓』公式サイト – アップリンク

予告編

映画祭スタッフより

『聖者たちの食卓』に寄せて

 インドにある黄金寺院では、巡礼者のために無料で食事を振る舞う「無料食堂」がある。その数、一日10万人分!この無料食堂は、600年も前から、導師たちが始めたものであるという。
 10万人分もの食事が作られる様は、正に圧巻の光景だ。ニンニクをひたすら剥き続ける人、生姜を山のように刻む人、涙ぐみながら玉ねぎをスライスする人。主食であるチャパティー(小麦でできたパンのようなもの)の生地を丸める人、伸ばす人、鉄板で焼き上げる人。バケツリレーよろしく、大急ぎでミルクを運ぶ人、人ひとりすっぽり入りそうな大釜でカレーを煮込む人…。実にシステマティックに、かつダイナミックに巡礼者のための食事が作られていく。
 しかし、ここで供される食事とは、ただ「食べ物を食べる」ことだけではない。食事をするための場所を整え、食べ終えた食事の後片付けをし、次に食べる人のために食器をきれいに洗う。そのすべての過程を、この映画は描いている。「食事」とは、その一連の流れ全てを含めて呼ぶのが正しいのかも知れない、とこの映画を観て思う。よく考えればごく当たり前のことなのだが、その全てが揃わなければ、気持ちよく食事をすることはできない。そして、黄金寺院では、このサイクルが、10万人分、毎日、行われているのである。10万人分の後片付け…。食堂の床が水で洗い流され、アルミ製の食器が宙を飛び、洗い場に投げ込まれ、ピカピカに洗い上げられていく。その後片付けの様子も、壮観である。
 この寺院の食事の過程全てをボランティアが支えていること、そして、これが無料で提供されているということは、確かに尊い事実だ。だが、インドというお国柄では、巡礼者みんなが食事を共にするということに非常に深い意味があり、そうした場を作ることが施しの一つなのである。食事を作る人、食べる人、片付ける人。鮮やかなインドの民族衣装を纏った、それぞれの人の動きに茫然となった後、最後に現れた字幕に、私ははたと膝を打つ思いであった。それが一体どのような意味なのかは、この映画を直に見て、確かめていただきたい。
(スタッフ S)