審査結果のHP発表が遅くなり大変申し訳ありませんでした。今年も多数の力作をいただきありがとうございました。


第8回長岡インディーズムービーコンペティション
審査結果・講評
(敬称略)


グランプリ

「ロケットパンチを君に!」
  中野 量太

    【審査員コメント】
  • おもしろかったです。映像的にもしっかりしたつくりでスタッフの力も感じられます。これだけのことをするのは大変な労力だと思います。いろいろなアイディアがてんこもりで、製作者の発想力を感じました。全く、非現実的な設定ながらも、それをリアリティを感じさせながら見せられるのはすごいと思います。今後の作品に期待します。
  • タイトルを見て「B級映画っぽい」と思い、始まりのシーンはなんだか、安っぽいAVみたいで(失礼、校内であんな事してはイケマセン(笑))、この話はどうなるんだ?!と思いましたがおもしろかったです。あの年頃の、二人の主人公みたいに妄想したり、悲観的だったりする気持ちもすごく共感できました。トドロキ君役の子の、ダメダメな時(なよってて情けない)とヒーローの時(ジャニーズ系くらい可愛い)の差をうまくこなしていて、うまいなあと思いました。脇役の皆さんも個性派ぞろいでおもしろかったです。見終ったあとに、不思議なすがすがしさが残りました。商業映画や文科省推薦っていう映画ではないのに学校や病院も撮影に強力してくれているところも、すごいですね。
  • 思春期にして既に世の中と折り合いをつけられない少年たちの悲しみ、現実から逃げることでひとまず折り合いをつけたようだが、彼らの姿はすごく見ていて痛々しい。
  • 最後に「未来」に関する話がありますが、未来を考えられるということは奇跡のようなことだと思いました。
  • 予定調和を拒み現代を映すような病んだ作品だがこの破天荒さと勢いは買える。どうしても上映していいか否かが判断になるが、これはスクリーン映えする作品。
  • 難しいテーマ。この表現でよいのか疑問です。大人が子供に押し付けているんじゃないかと。
  • 今回の応募作の中でいちばん好きな作品です。後ろ向きな人たちをそのまま暗く描くのではなく、コミカルに描き、そして最後には希望!例えそれが「現実から逃げる」というものであったとしても、この作品を観た後に心に起こるのは何とも言えない清々しさや高揚感です。もう文句なしの素晴らしさでした。
    こんなにも文学的で深いテーマをこんな風にシュールにそして面白く見せるなんて、すごいです!すごいです!すごいです!
  • この世の中に生き辛さを感じている若者たちの生き様を単にシリアスに描くのではなく、ユーモアを交えエンタテインメント作品へと昇華させた監督の英断に拍手!しかも無理に答えを出そうとはせず、かと言って決して後ろ向きではない落とし所も見事でした。



審査員特別賞

「希望情景」 藤原 智樹

    【審査員コメント】
  • 重い芝居部分が長く、俳優と監督にとって大変な撮影だったと思います。映像や芝居についてはもっと粘ってもっといいものにがんばれると思います。次回作に期待します。
  • ナナミとケイタの二人のどうしようもない切ない気持ちがすごく良く伝わってきました。リアリティがあって見入ってしまいました。「ああいう時ってやっぱりトイレにいって泣くよね」とか共感できましたね。ケイタの男の人としては情けなさすぎるキャラクターも個人的にはタイプじゃないけど、なんだか憎めないですね。
  • ハートウォーミングな話。ベタすぎる芝居でかえってナナミを炊きつける二人の男が何とも可笑しい。しかし、ほとんど泣き落としのようなプロポーズをするあんな男に、私が父ならば娘を嫁にはやらないと思う。
  • マスターの演技がくさかった。マスターファンクラブの掲示板の発想はとても好きです。
  • 優しすぎる人たちの優しい物語で終わりやはり食いたリない。
    ただこうあってほしいという観る側の願いを裏切らないのが心地いい。
  • 皆さんとこの作品には青春がありました。
  • あんな後ろ向きなプロポーズをするような男は、正直大嫌いです。私が彼女ならそれまで迷っていてもあのプロポーズで一気に愛が冷めると思いました。それなのにこの作品が好きなのはマスターとその友人、マスターを慕う店のお客たち、兄妹愛が非常にハートウォーミングで素晴らしいと思ったからです。あの掲示板は泣かされました。それからあのお店のアイスココアとコーヒー飲んでみたいです。
  • 予想通りの展開なのですが、巧みな演出と役者の皆さんの熱演で思わず引き込まれてしまいました。登場する人すべての優しさが胸に沁みました。しすぎる人たちの優しい物語で終わりやはり食いたリない。 ただこうあってほしいという観る側の願いを裏切らないのが心地いい。



監督賞

「春風桜色」
  勝又 悠

    【審査員コメント】
  • 4人の女子高生の瑞々しさが気持ちよく映像に現れていました。みんな自然な感じで、映像の中に存在しており、俳優の演技や監督の演出が非常にうまくいっていると思います。一人一人の女の子を紹介するところで他の3人も一緒にいて奥でふざけているところが面白かったです。ただ、4人が一緒にいるとそれぞれの個性が薄れてしまい、4人の女子高生たちに見えてしまうのが残念でした。
  • 女子高校生のあの時代の感性がよく表れていたと思います。見ていて共感できたし、そうそうあんな感じだったよねえ・・・とン十年前の自分を思い出しました。27分という時間でよくあれだけまとめたなあと感心しました。色違いの同じ傘や、うまい棒などそういう道具の使い方もうまいなと思いました。
  • 二度と戻らない青春の日々。真っ只中にいる彼女たちにはまだ判っていないと思うが、それがどれだけかけがいのないことか.....。一足先に旅立つことを決めたハルだけがそれに気がついている。
  • 個人的に電車で二時間は近いと思うのですが、いかがでしょうか。(高校生にとっても)
  • あの4人に囲まれて撮影してるだけで満足してないだろうか。
    それぞれを描き分けてるものの語られる物語が凡庸だった。
  • 空の高さが低い気がしました。
  • お菓子を投げて遊ぶシーンなどは、ちょっと長くて怠く感じてしまいました。ラスト2分は素晴らしい。お世辞じゃなくて鳥肌が本当に立ちました。あの会話、空気感、一気に10代に引き戻されました。それから絵の具メイクの後で、お互いが微笑んでスカートをプリンセスみたいに「チョコン」とするシーンが映像的にはいちばん好きです。
  • あまりにもナチュラルな彼女たち。ナチュラル過ぎてドラマ性が低いのでは?と思いながら観ていたのですが、最後にはしっかりと青春の切なさが胸に迫ってきました。まんまと監督の術中にはまった感じです。続編があるということで是非観てみたいですね。



主演女優賞

「Hello Horizon」
  森 衣里

    【審査員コメント】
  • 主人公の女の子がとても良かったです。ナチュラルな演技、関西弁、生き生きとして非常に魅力的に作られていました。またそれ以外の登場人物もみな存在感があり、人物の作り方は非常にうまいなあと思いました。作品の構成的にもラストの風船が飛ぶシーンにつながる流れもよく、見終わった感じも非常に気持ちが良いものでした
  • 映像はとても綺麗でクオリティ高いなと思いました。初め、ミュージックビデオを見てるかと思いました。キャストは、皆見た目の個性があって良かったです。ヒロ(でしたっけ?)役の女性が印象的で、他にどんな演技をするんだろうと気になりました。ヒロってもっと、イッチャッテル感があってもよかったかもなんて、思いました。
    旅館の御主人があんな風貌なのに、泊まる場所や料理がなんだか上品でそこがちょっと残念に思いました。
  • 若々しさ、爽やかさに溢れた作品。風船のシーンは、強風のだったのが残念。風に飛ばされず、ゆっくりと上がっていった方が効果的だったかも。
    車のトランクから放たれた風船は、二人の心の間にわだかまっていたものを解き放ったような解放感の象徴にも思える。
  • 人物が3人とも本当に魅力があってよかった。とっても「幸せ」を感じることのできる素晴らしい作品だと思います。40分という長さもGoodでした。
  • 地平線とロードムービーは相性がいいものの治まる所に治まり物足りなさが残った。
    ただ40分という長さを飽きさせない見応えはあった。
  • 旅の終わりの切なさが感じられなかった。
  • 最初の意味不明なパピプペボの言葉があんな風にラストの伏線になっているとは!
  • 個人的にロードムービーが好きなのでとても楽しめる作品でした。それぞれのキャラクターも分かりやすく魅力的で、特に自由奔放な彼女の魅力は主演女優賞にふさわしいものでした。欲を言えばもう少しオリジナリティが欲しいところです。



奨励賞

「夜のシャララ」
 
傍島 篤夫

    【審査員コメント】
  • 二人が会話しながらずっと夜道を歩いているシーンがよかったです。二人の演技が非常によく、何気ない普通の会話ですが、その二人の人物に興味をもってしまいます。そのため、部屋に入って以降は展開がまるわかりのコメディですが、この二人はどういうリアクションをしていくんだろうと最後まで関心を持って楽しく見てしまいました。フィギアを隠そうとする部屋の中の男のあわてぶりも面白かったです。
  • いやー、ほんとに「夜のシャララ」って感じがわかる気がしました(笑)
    最初から最後までテンポよくて、楽しかったです。オチが見えそうだけど、でもどうなのかな?思わせる際どい展開、60〜70年代風の映像と音楽なのに、携帯電話やカラオケボックス、タトゥー、コンビニなど今時のアイテムが見事にマッチしていて違和感なく見れました。センスがいいんだと思います。タトゥーがばれた時、彼女はどう切りかえすんだろう?と思いましたが、ちょっと開き直ったようなセリフは、彼女に好感が持てました。同性ですが「かわいい」と思いました。
  • ブラボー!! インディーズに大切なのは、この勢だ!! 純粋に面白い。それだけで充分。
  • 二人が話をしている時点で展開がわかってしまい残念でした。
  • オチも全部読めたコント(褒め言葉)だが、本審査作でぜひこれはスクリーンで上映したいと思った唯一の作品。
  • 何故こんなに古臭いのか
  • 二人が夜道を歩きながらさり気なく会話しているシーンが好きです。監督の力量を感じました。あの女の子のちょっと小悪魔的な微笑みが最高☆「似合う?」というあの言葉がスパイスのように作品を引き締めていると思います。
  • 途中でオチが分かってしまうものの、テンポが良いため最後まで楽しめる作品でした。イヤ味のなさも大きな魅力です。